2008年9月29日月曜日

マタギ?


彼はほとんど、家にいない。
朝早く家を出て、夜遅く帰る。
日々、近くの山中をさまよっている。
そして、家に帰る時はお土産だけは欠かさない。

彼は猫である。
僕が最初に彼を見たのは半年前。
街の中心部にある城山近くの道を歩いていると、
その道を軽快に横切る黒猫。
口元には鳥らしきものを銜えている。
そして古いビルの階段を駆け上がる。

そのビルには僕の女友達が住んでいる。
彼女は猫を何匹か飼っているのだが、
「もしかして、彼女の飼い猫?」。
彼女に電話をして確かめると、
やはり、飼っている猫だという。

彼女によれば
朝早くから、その黒猫(名前は横山君!)は
「外に出せ」とうるさく鳴く。その熱意?にほだされ、
外に出しているらしい。
毎回、黒猫(横山君)は山鳩など獲物を仕留めて、
誇らしげにドアを叩くという話である。
彼女は迷惑だと言うが、その声色はすこし誇らしげにも聞こえる。
(絶命した山鳩、羽根をむしり料理したらしい。美味だったそうだ。)

数日前に彼女と飲む機会があり、横山君の近況を聞いた。
横山君、狩猟の腕も上がり獲物もバラエティにとんできたとの事。
山鳩からきじ、時にはいたちも持ち帰る。
そんなある日、珍しい獲物を持ち込んだ。
「プレーリードッグ」である。

ペットとして飼われていたのが、
逃げ出したのか、あるいは捨てられたのか…。
プレーリードッグは十分に元気だったので、
引き取り手を探した。
知り合いの動物病院に相談したり、城山を管理している自治体に電話したり等。
(自治体の職員は「プレーリードッグ?どんな犬ですか」と。無理はないが)

ペットショップに持ち込むと、
「販売しますが、いいですか」と
簡単に引き取ってくれたらしい。
プレーリードッグは数年前から輸入規制の動物、現在、流通しているのは
国内繁殖のみであり、希少ペットである。

プレーリードッグ君、新しい飼い主のもとで幸せに暮らしているか、
彼女も知らないらしい。


この子は別のプレーリードッグ

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